Q: ご質問します。初心者なんですが筋力トレーニングによって、筋力も発揮し、持久性もある筋肉を作ることは可能なんですか?
A: お問い合わせありがとうございます。初心者様ということなので、なるべく分かりやすくご説明したいと思います。
★筋線維は速筋と遅筋の2種に分けられ、遺伝的要素に影響する!?
前にこのブログ内にて(2022.3.18アップ)筋肉の仕組みをご説明いたしました。
筋肉(筋線維)の組成は、詳細に分けると4つ、おおまかに分けると2つに分けられます。
この2つは、瞬発的な力を発揮出来る速筋(白色)、持久性に優れた遅筋(赤色)というものであり、分かりやすく説明すると、魚にも赤身魚、白身魚があるように、人の筋肉にも違う特性を持った筋線維が存在しているということです。
この割合は、遺伝的要素がかなり影響し、持久力が優れていたご両親から生まれた子供は遅筋線維が、短距離走が優れていたご両親からの子供は、速筋線維が生まれながらに多く組成されているのが一般的です。
これらから分かることは、速筋線維が多い方は瞬発系の競技が向いており、遅筋線維が多い方は持久性競技が有利であることは、間違いありません。
しかしながら、長年の競技特性(単一の競技を継続)やトレーニングのやり方次第で、その筋組成が変化することが近年言われ始めています。(遅筋線維が速筋線維に近い性質を持つこともある)
★パワーは筋力、スピードをアップさせること
よくパワーがある!という言葉が使われますが、本来パワーとは“力×速度(スピード)“という意味で、力(筋力)を高めることが出来れば、必然と積は大きくなるので、
ある程度重い負荷1RM( ※1回しか挙上出来ない負荷のこと)の85%以上(挙上回数1〜6回)の負荷を使用します。
※筋肥大の場合は1RMの70%〜85% 挙上回数6〜12回の範囲。
※スピード向上を目指すトレーニングの場合は、実際の競技で使用する負荷か、もしくはそれよりやや重い負荷を使用する場合が多い。
★筋力と持久力をアップさせるには、個々を単体で行う場合と、全体(ホリスティック)的に行う2つのパターンがある。
話しを元に戻しますが、ご質問者様の場合は、筋力も強く、なおかつ持久性に富んだ筋肉がトレーニングによって作れるかですが、これには2つのやり方が存在します。
一つは、最大筋力を高めるトレーニングをすると、当たり前のことですが筋力は高まります。
でも、筋力だけではありません。トレーニングを行えば、必ずスタミナ(持久力)も少しづつでも高まります。
但し、重い負荷でのトレーニングばかりやっていては、同じ動作を繰り返し、繰り返し出来るような持久性能力の向上は難しいです💦
つまり、一般的には単体で筋力を向上させるトレーニングと、低負荷を高回数で行う筋持久力を高めるトレーニングを別々に行うことをお薦めいたします。
また、もう一方のトレーニングで高める場合としては、“ホリスティック“(全体)法というのがあります。
これは高重量で数セットをし、筋力を高める目的のトレーニング後に、1セットでいいので軽めの負荷(反復回数30回可能前後)を用い、挙がらなくなるまで行うトレーニングです。
これは、一つのトレーニングで筋力アップと筋持久力アップという、2つの効果を求めるトレーニング法です。
これを行うと、乳酸が発生する感覚があり、その部位の筋肉が非常に張ります(パンプアップ)。
つまり、ホリスティック法にはこのプラスの作用(成長ホルモンの分泌等)を利用し、筋力を高めるのと、最後の1セットで筋持久力も同時に高めることを求めているというわけです。
まとめ
★筋線維は速筋と遅筋におおまかに分けられる
瞬発的な速筋と持久性の遅筋が存在する。(詳細は4つ)これは遺伝的要素に影響されるが、近年では長年の筋活動により、性質が変わっていく可能性も指摘されている。
★最大筋力と筋持久力は単体で向上させるのが定説!?
最大筋力は高負荷、低回数。筋持久力は低負荷、高回数にて、単体の目的で高めるのが一般的な方法である。
★ホリスティック(全体)法にて、向上を目指す。
最大筋力を高めるセットを行った後に、1セット1RM50%の負荷を用い、高回数でオールアウトを目指す。これによりパンプ作用にて筋力アップと筋持久性を高める目的を持つ筋肉を刺激することになる。
ご拝読ありがとうございました🙇♀️