Q: お尋ねいたします。最近母(68歳)の背中が曲がってきたように感じます。自宅で出来る対処法とかありますでしょうか? ご教示お願いします。
A: お問い合わせありがとうございます。さて、お母様の背中が曲がってきたと言うことですが、これは加齢にしたがって、姿勢が前屈みになっていくのはよく見受けられる傾向です。
分かりました。それらの原因と対処法を考察してみたいと思います。
☆曲がっていく原因3選
原因その① ★椎間板の変形によるもの
加齢により、中年(40代以降)になると椎間板(骨と骨の間にある軟骨)がつぶれたり、変形することにより、背骨の変形が見受けられて姿勢が前屈みになっていく。
原因その② ★骨粗鬆症による圧迫骨折の疑いあり
女性によく見受けられるのが、閉経後にホルモン分泌の変化により、骨粗鬆症などによる圧迫骨折等によるものもある。
原因その③ ★加齢により抗重力筋の衰え
骨はあくまでも身体の土台で、筋肉が重力に逆らって筋力を発揮することで立つことが出来る。つまり、身体の姿勢を保つには筋肉(体幹部※背筋、腹筋等)の支えが不可欠となる。
★なぜ、前屈みになるのか?(後弯になる)
背骨というのは、身体の側面(真横)から見ると背骨はS字状になっています。
首(頚椎・前弯 ※前側に曲がる)、胸(胸椎・後弯 ※後側に曲がる)、腰(腰椎・前弯)になっているのですが、
腰が曲がってくるのは、腰椎部が本来なら前弯の所が後弯になり、背中が曲がってくるのは、胸椎の後弯がさらに強い後弯になってしまうのです。
この後弯に傾く原因としては、日常の姿勢が主に影響を与えていると言われています。
つまり、若い方ではスマホ、パソコンを常に見たり、中・高齢者層では新聞、読書、または料理、家事なども、すべての動作のほとんどは前屈みの姿勢になっていますよね・・
★自宅で出来る対処法とは!?
背中が曲がる、腰が曲がるというのは先程も言った通り、普段からの日常生活での姿勢が大切です。
つまり、いきなり朝起きたら曲がっていたという突発性のものでは無く、積み重ね、積み重ねという“習慣“から来ていることが主なんです。
残念なことですが、一度曲がってしまった背中を戻すことは難しいと言えます。
でも、進行を遅らせたり、さらに酷くならないようにすることは、適切な筋力トレーニングを実践したり、普段から危機感を持ち、気をつけることによって可能だと思います。
●自宅で出来る対処法 その①
★後ろ手に腕を組む!
これを気がついた時に行うと、胸の筋肉のストレッチにもなり、姿勢も真っ直ぐになり、身体に良い姿勢を覚え込ませます。
管理人も時間が空いた時とか、ゴルフで次打を待つ間などには、結構これを行います。
姿勢が良くなると、上半身(肩回り)の血流も良くなるので、二次的に肩こりや五十肩などにも有効だと思われます。
これは、一日何回とか決めずに、気がついた時とかに行ってください。
●自宅で出来る対処法 その②
★寝具を見直す!
先程、椎骨の後弯が原因の一つであるとしましたが、これを睡眠時にも軽減させるならマットレスは柔らかいよりも、硬めの方が適しているということです。
仰向けに寝た場合、柔らかいマットだと背中の椎骨が沈み込むので、後弯が強くなることになりますが、硬めだとそれを少しでも阻止することになるのです。
また、枕は低め、もしくは無い方が適していると思われますが、これは個人個人の好みや嗜好もございますので、無理にはお薦めいたしません。
これらの2つの実践は、どこでも出来ますし、寝具は多少なりの見直しや投資も必要かと思いますが、あくまでもご参考としてお考えくださいませ。
まとめ
★曲がっていく原因3選
①椎間板の変形によるもの ②骨粗鬆症による圧迫骨折の疑い ③抗重力筋群の衰え 等が挙げられる。
★椎骨のS字が後弯に傾いていく
腰が曲がってくるのは、腰椎部が本来なら前弯の所が後弯になり、背中が曲がってくるのは、胸椎の後弯がさらに強い後弯になってしまうのです。
★自宅で出来る対処法とは!
両手の腰辺りで組む。胸部のストレッチになり、肩回りの血行が促進される。また、寝具はマットレスは硬めの方が後弯が少しでも阻止出来る。枕も低めか無い方が有効だが、個人の嗜好があるので、ご参考までに。
ご拝読ありがとうございました🙇♀️