自転車競技と言うと中・短距離で競うトラック競技とロード等で競う長距離種目に大まかに分けられます。
それぞれの種目で必要とされる筋肉の役割が違う訳ですが、単純に短距離で競うトラック競技(バンクと言われる施設で行う)は競輪、スプリントなど瞬発的な力が必要となる種目と、
有名なツールドフランス(3000km以上)に代表されるような長いロードをひた走る長距離競技となります。
★スプリント、競輪系は筋肥大が見られる!
トラック競技の競輪??、スプリント??と言っても分からない方もいらっしゃると思いますので、そんな方にその競技をご説明したいと思います。
日本で行われている競輪というのは、一周333m、400m、500mの全国にある競輪場で開催され、それを5〜7周回しながら、最後の2周くらいでペースが上がり、ラスト一周回はほぼ全力でゴールまで走り抜ける競技です。(出場選手は7〜9名)
また、スプリントというのは一周250mのバンクを2名で3周回し、先着した方の選手が勝利するという競技で、これも残り2周回からの互いの駆け引きがありながら、残り一周回はこれも全力を出し切りながら走り続けるというものです。
競輪選手やスプリントのオリンピック選手と言うと、身体の特徴としては“太い太もも“というイメージがあると思います。
選手の取材番組では、必ず太もも周り60、70cmを超えているという話題が上がりますよね!
●太腿が発達する理由は2つあります!
まず一つは、短時間に爆発的なスピードが要求される競技なので、筋肉に大きな負荷を掛け、休ませること無く、素早く筋収縮を繰り返します。
つまり、この状態は無酸素系運動と呼ばれ、糖をエネルギー源として消費するため、運動中には“乳酸“が発生します。(基本、もの凄く痛いです・・)(全力で力を出すため、酸素をしっかりと取り込むことが出来ないため乳酸が分解出来ない)
これは、筋力トレーニングで筋肥大をさせる時と同じ状況下となります。6〜12回の反復回数で、筋肉を休ませず限界を迎えるような筋トレでは乳酸が発生し、成長ホルモンの分泌等により、筋肉は次第に太くなっていきます。
また、二番目の理由としては、筋線維の組成が瞬発力に優れている“速筋“の割合がトラック競技選手には先天的に多いということです。
速筋線維は、白筋と言われる筋線維でこれらの筋肉はスタミナでは劣りますが、短時間に強い力を発揮できる特徴を持っています。また、肥大しやすいのは主にこの速筋線維です。
すなわち、短距離に向いている性質を持ち、筋肥大を起こしやすい筋肉なのです。
★ロードレーサーの脚は太くない!?
その逆に、長距離を走り抜けるレーサーの場合、乳酸が発生するような状況を作ると脚が早く疲労し、筋疲労で動かなくなるので、酸素を体に取り込みながら、発生した乳酸を除去しながらの走行が求められます。
つまり、普段の走行中は乳酸を過剰に溜まらないことを考え、坂登りの際などには乳酸の分泌は起こりますが、その中で酸素を取り入れ、乳酸を分解しながら走行距離を稼ぐ必要があるのです。
こんな状況下で有利に働くのは、毛細血管密度が多い遅筋(赤筋)が主となり、その働きにより乳酸を分解したり、酸素を供給することが出来ます。
また、そんな訓練を繰り返し行うことで、速筋の分類でありながら、中間筋と呼ばれるピンク筋(正式な名前では無い)が赤筋に近い働きをするようになることが分かっています。
この遅筋線維(赤筋)は、肥大しにくい性質を持っており、その性質上、ロードレーサーの足は短距離選手に比べ、細く見えてしまうのです。(実際はそんなことはありませんが)
★自転車競技の特性を筋肥大に生かすには!?
これらから分かることは、筋肥大を目指すトレーニーはある程度、大きな負荷を使用しながら、動作中に筋肉を休ませないことと、乳酸を発生させることを主に考えながら行う必要があるということです。
これを実感する方法は短距離走で、全力で走ると終わった後に足がパンパンになると思いますが、そのような刺激を与えることが筋肥大には有効だということです。
※このアイス、お正月に食べるとうまいんちゃうん!笑
これには、一つコツが存在します!
確かに、筋肥大には大きな負荷は必要となります。でも、若くて頑丈な方ならそんなトレーニングでも耐えられるかも知れませんが、高齢者様にはタブーです・・
そこで、筋肥大には“乳酸“の分泌が鍵を握るのですが、乳酸を分泌させるのなら、決して重い負荷を持つことだけではありません。
これを試してみてください!
例えば、スクワット動作でしゃがみ込む時も、立ち上がる時もゆっくりと時間を掛けながら行ってみてください。
そうですね!しゃがみ込むのに約7秒程度、立ち上がる時も7秒くらい掛けて、それを休まずに10回反復してください!(反復する時の注意点は、立ち上がった時に膝を伸ばし切らずに、上がり切ったら筋肉を休ませること無く、すぐにしゃがむこと)
どうですが!?
結構、脚痛くて、なおかつパンパンになったと思います!笑
これは、自体重の負荷しか使用しませんので、関節も痛めること無く、高齢者様にも出来る筋力トレーニングです!
つまり、自転車競技では脚に乳酸が溜まる種目が大半で、それにより筋肥大も見受けられますが、それを利用して筋力トレーニングでも応用することが出来るという訳です!
是非、参考にしてみてくださいませ🙇♀️
まとめ
★自転車競技の短距離選手には、筋肥大が見られる!
短時間に爆発的な力を発揮する競技は、その特性から筋肥大が見受けられる。勿論、その競技のスペシャリスト達は“速筋“が筋組成の大半を占めている場合が多く、その理由からも筋肥大に有利に働くことになっている。
★乳酸を除去するには“酸素“が必要となる!
長く運動を続けるコツは、溜まった乳酸を除去分解する機能が必要とされる。毛細血管密度が高い遅筋(赤筋)は、スタミナがあるが強い力は発揮しにくい。また、肥大しにくい特性があることにより、長距離選手の脚は細く感じることが多い。
★乳酸を分泌させるスローリフトとは!?
乳酸を分泌させるには、大きな負荷だけでは無く、動作中に筋肉に休み(緊張を維持する)を与えないようにすると乳酸が分泌される。それにより“成長ホルモン“等の働きにより、高齢者様にも安全に適切な負荷を加えることが出来る。
ご拝読ありがとうございました🙇♀️